2015年の第1シリーズ開幕時、天樹悠は「警視庁遺失物センター」に所属する一風変わった警察官として登場した。胸ポケットに家族の遺品を忍ばせ、冷徹なまでに事件現場の違和感を見抜く観察眼。妻と娘を事故で失った過去という拭い去れないトラウマを背負いながら、彼は法で裁けぬ悪に対峙し続けた。
シリーズを重ねるごとに、天樹のキャラクター造形は変化を遂げた。「専従捜査班」や「警視庁刑事部特別捜査係」など、所属する組織の変遷とともに仲間への信頼を深め、当初の孤高な佇まいからチームを精神的に束ねる支柱へと成長していく。東山紀之が魅せたストイックな佇まいと身体能力を活かしたアクション、そして哀愁を帯びた眼差しは、従来の刑事ドラマに登場する熱血漢や天才肌の主人公像とは一線を画す孤高のヒーロー像を確立した。