この衝撃発表の直後、上野で開催中の「ヨーロッパ暗黒工芸史展」の現場は異例の熱気に包まれている。
展示ケースの前に人だかりができていた。「拷問器具としてではなく、19世紀の偽作・過剰演出の歴史としてお楽しみください」という注釈パネルが緊急で差し替えられたためだ。
来場した30代の歴史ファンは苦笑いを浮かべる。
「オカルトだと思って観に来たら、まさかの近代マーケティングの歴史だった。騙された悔しさ半分、人間の商魂のたくましさに感心する気持ち半分ですね」
悲惨な拷問の歴史としてではなく、「人間が恐怖をどう消費してきたか」という文化史の展示として、図らずもチケットの売上は跳ね上がっているという。