映画の世界を完璧に舞台上に再現したジョン・ケアード演出の舞台『千と千尋の神隠し』において、青蛙の表現は演劇界に大きな衝撃を与えた。2024年のロンドン・コロシアム公演から2026年に至る国際的なロングラン公演でも、観客の目を釘付けにし続けているのが、パペティアーと俳優が一体となった青蛙のパフォーマンスだ。
CGやアニメーションとは異なり、生の舞台では青蛙の関節の蠢きや、カオナシに呑み込まれる瞬間の物理的な恐怖感がダイレクトに客席へ伝わる。パペットを操る役者の身体性と、中村彰男氏のオリジナルの声の系譜を汲む怪演が見事に融合し、アニメとはまた異なる生の「生命力」と「薄気味悪さ」を生み出すことに成功している。