静謐な学問の府という顔の裏で、正月の風物詩を席巻する熱狂がある。東京箱根間往復大学駅伝競走における陸上競技部の躍進だ。チームを常勝軍団へと押し上げた前田康弘監督の指導哲学は、独自の「人間形成」に根ざしている。
「歴史を変える挑戦」を掲げ、選手個々の自律性を極限まで引き出す前田メソッド。単なる走行タイムの追求ではなく、礼節や学問への敬意、自己分析力を重視する姿勢は、まさに國學院の建学の精神と地続きにある。過酷な箱根路で見せる粘り強いタスキリレーの裏には、緻密なデータ分析と人間的な絆を融合させた、現代的かつ熱いチームビルディングが存在する。