長門裕之の人生を語る上で、妻であり女優の南田洋子との関係は切っても切り離せない。『狂った果実』での共演をきっかけに1961年に結婚した二人は、昭和の芸能界を代表する「おしどり夫婦」として広く親しまれた。
しかし、晩年に訪れた試練は壮絶を極めた。南田洋子の認知症発症と、長門自身による在宅介護。彼は自らカメラの前に立ち、介護の現実を世に公表した。当時はプライベートの切り売りとの批判も一部で上がったが、高齢化社会へと突入する日本において、認知症介護というタブー視されがちだったテーマに一石を投じた意義は極めて大きかった。最期まで妻に寄り添い続けた彼の姿は、愛の本質とは何かを問いかけるものだった。