では、具体的にどの数値から警戒すべきなのか。診療室で測定される血圧において、理想とされる「正常血圧」は収縮期血圧が120mmHg未満、かつ拡張期血圧が80mmHg未満と定義されている。このクリーンな数値を維持できている成人は、決して多くない。
収縮期血圧が120〜129mmHgの範囲は「正常高値血圧」、130〜139mmHg(または拡張期血圧が80〜89mmHg)は「高値血圧」に分類される。従来の感覚であれば「まだ140に達していないからセーフ」と見逃されがちだった130台の領域こそ、すでに血管内皮への物理的ストレスが蓄積し始めている危険な境界線だ。140/90mmHg以上に達した時点で本格的な「高血圧症」と診断されるが、真の勝負どころはその手前にあるグレーゾーンでの食い止めにある。