メガリッチたちの特異な精神構造や権力への執着は、優れたポップカルチャーや映像作品でも執拗に描かれてきた。デヴィッド・フィンチャー監督の映画『ソーシャル・ネットワーク』は、孤立と承認欲求が巨大なソーシャルプラットフォームを生み落とす狂気を克明に切り取った。また、米ケーブル局のHBOが制作する重厚なドラマ群は、巨大メディアコングロマリットを支配する一族の骨肉の争いを生々しく描写し、富がもたらす人間性の崩壊を暴き出している。
さらに、Netflixで配信された『ビル・ゲイツの頭の中: その頭脳を解読する』のような本格ドキュメンタリー映画は、慈善活動家としての仮面の下にある超合理主義と、世界規模の課題を技術でねじ伏せようとするエンジニア的エゴを克明に浮き彫りにした。メガ富裕層の内面を理解することは、冷徹な資本の論理を読み解く最良の手がかりとなる。