単なる「無愛想でかっこいい主人公の決め台詞」として消費されがちなこの言葉ですが、シナリオを深く読み解くと全く異なる構造が見えてきます。物語前半で見せるクラウドの刺々しい態度は、生来の性格ではなく、極めて脆い精神状態が生み出した「防衛機制(心理的バリア)」に過ぎませんでした。
魔晄中毒とジェノバ細胞による記憶改変の影響で、クラウドは親友であるザックス・フェアの経歴や立ち振る舞いを無意識にトレースし、「一級のソルジャーである強い自分」という虚像を作り上げていました。田舎町ニブルヘイムでソルジャーになれず劣等感を抱えていた本来のクラウドは、素朴で気弱、かつ心優しい性格です。他者から深く踏み込まれてメッキが剥がれることを極度に恐れた結果、先制攻撃のように放たれていたのがクラウド 興味ないねという拒絶の言葉でした。
実際、物語中盤で精神世界(ライフストリーム)に入り、ティファの助けを借りて「本当の自分」を取り戻した後のクラウドは、このセリフをほとんど口にしなくなります。仲間を思いやり、不器用ながらも素直に感情を表に出す青年に戻るからです。この「作られた虚勢」から「等身大の受容」へのグラデーションこそが、作品が描き出した人間ドラマの神髄と言えます。