彼の名を監督として世界に知らしめた金字塔が、映画『洗骨』である。沖縄の離島に伝わる風習を題材に、家族の再生を描いた作品は、モスクワ国際映画祭をはじめ世界各国の映画祭で絶賛を浴びた。死と向き合う重厚なテーマでありながら、随所にクスッと笑えるユーモアを漂わせる手法は、彼ならではの真骨頂と言える。
独自の死生観と家族愛を描き切ったこの作品は、停滞が叫ばれる日本映画産業において「地方発の映画が世界に届く」ことを鮮やかに実証した。観客の胸を強く打つ濃密なヒューマンドラマであり、映画批評家からも単なるコメディ映画の枠を超えた傑作として極めて高い評価を獲得した。