ネット上で囁かれる「韓国シミ取りクリームでシミが消えた」という過熱気味な反応。その発信源を辿ると、多くは韓国の街中にある一般薬局(ヤックク)で購入できる特定の治療用クリームや、Qoo10でメガ割の常連となっている高機能スキンケアに集中しています。しかし、皮膚科学的な見地から断言すれば、塗布して数日で色素沈着が根本から完全に消滅することはあり得ません。
では、なぜ「消えた」と錯覚するユーザーが後を絶たないのでしょうか。その背景には、韓国の薬局で流通する医薬品クリームに高濃度で配合されているハイドロキノン(約4%)やトレチノインの強力な作用があります。これらの成分は肌のターンオーバーを急速に早め、メラニンを含んだ古い角質を強制的に垢として剥が落とします。表面の角質が剥がれ落ちることで一時的に肌色が明るくなり、薄いシミが薄くなったように知覚されるのです。
一方で、この強力な作用は諸刃の剣です。肌のバリア機能が著しく低下した無防備な状態に紫外線が当たれば、防御反応として過剰なメラニンが生成され、以前よりも濃い「炎症後色素沈着」を招くケースが後を絶ちません。SNSで見かける劇的な変化の裏側には、皮膚科クリニックへ駆け込むことになったトラブル事例が数多く隠蔽されているのが現場の実情です。