MOROHAの楽曲を聴いた際に「イライラする」「生理的に受け付けない」と感じる現象には、単なる音楽的嗜好の違いにとどまらない、明確な心理的要因が存在します。主に指摘される理由は以下の3点に集約されます。
第一に挙げられるのが、「上から目線の説教に聞こえる」という圧迫感です。アフロが紡ぐリリックは、「お前は今、本気で生きているのか」「夢を諦めて妥協していないか」と、聴き手の生活態度や人生の選択を真正面から問い詰めるものが大半を占めます。何気なく音楽を聴いてリラックスしたい層にとって、逃げ場のない正論を至近距離から突きつけられる感覚は、防衛本能としての激しい反発(心理的リアクタンス)を引き起こします。
第二の要因は、ネット上でも頻繁に言及される「共感性羞恥」と「ポエムの恥ずかしさ」です。青春時代の挫折や嫉妬、情けない劣等感を一切オブラートに包まず、生々しい言葉で吐露するアフロのスタイルは、人によっては「見ていられない青臭さ」に映ります。他人が心の奥底にある恥部を白日のもとに晒している姿を目撃した際、自分自身が恥をかかされているかのような居たたまれなさを感じ、それが「ダサい」「イライラする」という感情へと変換されてしまうのです。
そして第三に、「メロディを歌わず叫び続けるスタイル」への聴覚的ストレスが挙げられます。アコースティックギターの静謐なアルペジオに乗せて突如として激しい絶叫が繰り出されるダイナミクスは、日常のBGMとして音楽を流しているリスナーにとって著しい緊張感を強いる結果となります。特にナレーションを担当したテレビCMに対して「CMがうざい」「うるさい」といった批判がSNS上で噴出した背景には、予期せぬタイミングで過剰な熱量を押し付けられた視聴者のストレスが反映されています。