ネット空間で拡散されるダイエット情報の多くには、看過できない論理のすり替えが存在します。第一の盲点は、「小柄な人の45kg」と「165cmの45kg」を同列に語る比較の誤謬です。身長152cmの人の45kg(BMI約19.5)は標準的なスレンダー体型ですが、165cmの人が45kg(BMI約16.5)になれば重篤な低栄養状態です。SNSのタイムラインで流れてくる「モデルの体重43kg」といった数字を、自身の身長を無視してインプットしてしまう認知のトラップには細心の注意を払わなければなりません。
第二の誤解は、「痩せれば痩せるほど脚が細くなる」という幻想です。165cmという高身長フレームにおいて、筋肉を削るような過激なダイエットを強行すると、骨盤を支える腸腰筋や大殿筋が衰え、骨盤が前傾または後傾します。その結果、代償動作として外ももの筋肉が張り出し、O脚や偏平足を引き起こして、かえって下半身が太く歪んで見える現象(アンバランスな下肢肥大)を誘発します。