同店を国際的スターダムへと押し上げた主役が、マンダリン オリエンタル 東京の総料理長を務めるダニエレ・カソン エグゼクティブシェフ経歴とその揺るぎない料理哲学です。イタリア・ローマ出身のカソン氏は、本国イタリアの名だたる名店をはじめ、ロンドン、バンコク、エジプトなど世界各国のラグジュアリーホテルで腕を磨き、2013年に来日しました。西洋料理の伝統と各国の食文化を知り尽くした彼が、「日常食であるピッツァを、グランメゾンに匹敵するガストロノミーへ昇華させる」という野心的な構想から生み出したのが、このピッツァバーでした。
世界的な権威を持つガイド「50 Top Pizza」において、アジア・パシフィック地域で幾度も頂点に立ち、世界ランキングでも単独1位を含む最高峰の評価を獲得し続けている背景には、徹底した科学的アプローチと素材への偏執的なこだわりがあります。その核心が加水率80%という驚異的な水分量を誇るピッツァ生地です。
一般的なナポリピッツァの加水率が60〜65%程度であるのに対し、カソン氏のレシピでは厳選されたイタリア産オーガニック小麦粉を用い、小麦1kgに対してわずか1gの酵母のみを使用。48時間におよぶ長時間低温発酵を経て焼き上げられます。空気をたっぷりと抱き込んだクラストは、外側がクリスピーでありながら、内部は驚くほど軽やかで気泡が大きく、口の中で溶けるような食感を生み出します。コース全体で何種類ものピッツァを食べ進めても、胃もたれを一切感じさせないこの極上の消化性の良さこそが、世界各国の審査員を唸らせた50 Top Pizza 世界ランキング1位 受賞理由の根幹です。