京都の路地裏にある創業100年を超える老舗茶漬け店。そこには今、かつてない行列ができている。並んでいるのは、スマホを片手にしたZ世代や、欧米からの外国人観光客だ。彼らのお目当ては、他でもない「ぶぶ漬け」である。かつて「出されたら帰るべき」とされたタブーの料理が、今や京都観光のハイライトになっているのだから、歴史の皮肉としか言いようがない。
地元・京都の住民たちも、この状況には苦笑いを隠せない。「まさか、ぶぶ漬けをわざわざ食べにくる人がこんなに増えるとは」と、祇園で小料理屋を営む店主は語る。かつての「いけず(意地悪)」の象徴が、今や最高のコンテンツとして消費されている。