近年、ネット上で爆発的な話題を呼んだのが、ガラスの器にコスモスの花を浮かべた「コスモスグラス」だ。水面に浮かぶ可憐な花びらが光を反射する様子は、スマートフォンを手にした若者たちの格好の被写体となっている。静寂を求める伝統的な参拝者からは「境内が撮影スタジオのようになってしまっている」との懸念の声も上がる。
だが、寺の住職はこれを単なる流行として切り捨てない。「花を美しいと思う心は、仏教の『無常』や『慈悲』に通じる。入り口は何であれ、この場所に身を置き、何かを感じ取ってもらえれば」と語る。ファインダー越しに見つめる若者たちの視線の先には、千年以上変わらない仏教の精神が、形を変えて息づいている。