本格的な和紙作りは、原料の刈り取りから完成まで数十の工程を要します。樹皮を蒸して皮を剥ぎ、外側の黒皮を削り落とす「へぐり」、繊維を柔らかく煮る「煮熟(しゃく)」、冷水にさらしてゴミを取り除く「塵取り」、そして木槌などで叩いて繊維をほぐす「叩解(こうかい)」を経て、ようやく紙漉きの工程に入ります。
紙漉きの技法には大きく分けて2種類が存在します。
1. 流し漉き(ながしずき):
日本独自に発展した伝統技法。「桁(けた)」と呼ばれる木枠と「簀(す)」を使い、ねりを加えた紙料をすくい入れ、前後左右に素早く揺すって余分な水を捨てながら繊維を絡ませます。薄く均一で強靭な紙に仕上がるのが特徴です。
2. 溜め漉き(ためずき):
古代中国から伝わった技法で、洋紙の手漉きにも近い方法。ねりを使わず、桁に紙料を溜めて水が自然に落ちるのを待って漉き上げます。厚手で素朴な風合いの紙が仕上がります。