上野や御徒町界隈を歩くと、タイ国旗を掲げたサロンが目立ちます。なぜこの一帯が、新宿や池袋を凌ぐほどのタイリラクゼーション密集地となったのでしょうか。その背景には、台東区から文京区湯島にかけて古くから形成されてきたアジア系コミュニティの歴史的経緯と、商業・交通の要衝としての都市構造が密接に絡み合っています。
現場取材で複数の店舗オーナーが口を揃えるのは、「上野は技術の腕前だけで勝負が決まる街」という事実です。本場タイの保健省公認機関やバンコクの名門寺院ワットポー、古都チェンマイの有名校でライセンスを取得したベテラン施術者が、評判の噂を聞きつけてこのエリアに集まっています。上野のタイ古式マッサージでおすすめに挙がる実力派サロンの多くは、在日タイ人コミュニティ内の厳しい口コミネットワークと、目の肥えた日本人リピーターの双方に支えられているのが実態です。
タイ古式マッサージは、2019年にユネスコ無形文化遺産(伝統的タイマッサージ「ヌア・タイ」)として登録されて以降、単なるリフレクソロジーの枠を超え、予防医学的なアプローチとして世界的な評価を高めました。人体を巡るエネルギーライン「セン」に沿って指圧とストレッチを組み合わせる施術は、デスクワークによる骨盤の歪みや首肩のこわばりに悩む現代人に即効性のある爽快感をもたらします。上野・御徒町におけるタイマッサージの評判の高さは、決して一過性のブームではなく、本場の伝統技術に裏打ちされた必然の結果といえます。