警察官の給与体系は、一般の行政職公務員に適用される行政職俸給表ではなく、危険手当や勤務の過酷さが加味された公安職俸給表(一)が適用されます。そのため初任給の段階から一般行政職より約10〜12%高く設定されていますが、階級ごとの基本給と役職手当の格差は職位が上がるにつれて拡大していきます。
新採用の巡査であれば20代前半の年収はおよそ380万〜420万円程度です。これが試験に合格して巡査部長になると30代前半で550万〜650万円、実務の要である警部補に昇任すると40代で700万円台に乗るのが標準的なモデルケースです。課長職を務める警部クラスになると、各種管理職手当とボーナスを含めて800万円前後に達します。
給与データを見るうえで見落とせないのが、時間外勤務手当(超勤手当)と特殊勤務手当の影響です。刑事課や生活安全課の最前線で激務をこなす若手〜中堅の巡査部長や警部補は、夜間呼び出しや張り込みなどの超過勤務手当が上乗せされ、形式的な基本給が高いはずのデスクワーク中心の警官よりも手取り額が多くなる「逆転現象」が頻繁に生じます。
一方で、警視正以上の高位幹部になると管理職手当が一気に跳ね上がり、時間外勤務手当の対象外(定額支給)となります。都道府県警の部長や署長を歴任する警視長で年収1,200万円以上、トップの警視総監ともなれば特別職報酬として年収2,200万円超が支給されます。生涯賃金で見ると、ノンキャリアが約2億3,000万〜2億7,000万円にとどまるのに対し、警察庁幹部まで上り詰めるキャリア組は3億5,000万円以上となり、約1億円近い格差が生じる計算です。