【実は同じ部位】砂肝と砂ずりの違いとは?呼び名の地域差と由来を徹底解説

【実は同じ部位】砂肝と砂ずりの違いとは?呼び名の地域差と由来を徹底解説

【実は同じ部位】砂肝と砂ずりの違いとは?呼び名の地域差と由来を徹底解説とはどのようなものなのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

同一の部位であるにもかかわらず、なぜ現在のように日本列島で呼び名が二分されたのでしょうか。そこには、日本人の食文化と地域言語の興味深い歴史経緯が存在します。 食肉流通業界の調査や方言分布データによると、呼称の分布は明確な傾向を示しています。

  • 東日本(北海道・東北・関東など):「砂肝」が圧倒的多数派
  • 西日本(近畿・中国・四国・九州):「砂ずり」、あるいは縮めて「ずり」が主流

この地域差が生まれた理由は、各地域の生活者が「その器官のどこに注目して命名したか」という着眼点の差にあります。 関東をはじめとする東日本では、内臓肉(もつ)を機能よりも構造や外見で分類する傾向が強く、「砂が入っている肝(内臓)」という即物的な観点から「砂肝」の名が定着しました。 対して上方(関西)を中心とする西日本では、事物の「役割」や「動態」に着目する言語感覚が古くから発達していました。砂嚢が小石を使ってエサを「擦り(ずり)合わせる」様子、あるいは筋肉が砂を「擂り潰す(すりつぶす)」という動詞的な働きそのものを捉え、「砂ずり」と呼ぶようになったとされています。 東西の境界線は、静岡県から愛知県、三重県付近のいわゆる「食文化の断層帯」に位置しています。昭和から平成にかけての大規模なコールドチェーン(低温物流網)の発達と、全国チェーンの居酒屋や大手スーパーの台頭により、現在では西日本でも「砂肝」の表記が流通し、東日本でもこだわりの焼き鳥店が「砂ずり」と掲げるケースが増加しました。それでもなお、地元に根ざした精肉店や大衆酒場では、確固たる地域固有の呼称が受け継がれています。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。