更年期を迎えると、卵巣機能の低下に伴って女性ホルモンであるエストロゲンが激減します。エストロゲンは単に生殖機能を司るだけでなく、脳の視床下部や感情をコントロールするセロトニンの分泌にも深く関わっています。このホルモンの急降下によって視床下部がパニックを起こし、自律神経のバランスが音を立てて崩れてしまうのです。
自律神経失調症が併発すると、血流の悪化や体温調節機能の低下、重度の睡眠障害が引き起こされます。睡眠をとっても疲労がまったく抜けず、全身の筋肉がこわばるため、「体が鉛を背負ったように重い」という圧倒的な倦怠感が生じます。この身体的限界に気力の喪失が重なる状態こそが、更年期うつによる寝たきり状態の正体です。意志の強さや性格の問題ではなく、脳と身体のブレーキが強制的に作動している状態といえます。