冠位十二階の色の順番と意味|最高位が紫の理由と覚え方を徹底解説

冠位十二階の色の順番と意味|最高位が紫の理由と覚え方を徹底解説

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冠位十二階の色と徳目の並び順は、思いつきで決められたものではありません。中国から伝来した儒教の道徳観(五常)と、自然界の循環を説く陰陽五行説(木・火・土・金・水)を高度に融合させた極めて論理的な構造を持っています。

五行思想では、万物は5つの元素から成り立ち、それぞれに対応する色と方角が定められています。

  • 木(東・春):植物が芽吹く生命力を表し、色は「青」。対応する徳目は「仁」。
  • 火(南・夏):燃え盛る炎と礼節の華やかさを表し、色は「赤」。対応する徳目は「礼」。
  • 土(中央・土用):大地のような安定と信用を表し、色は「黄」。対応する徳目は「信」。
  • 金(西・秋):金属の硬さと厳格な正義を表し、色は「白」。対応する徳目は「義」。
  • 水(北・冬):静かに知識を蓄える深遠さを表し、色は「黒」。対応する徳目は「智」。

儒教の原典では「仁・義・礼・智・信」と並べられることが多い徳目ですが、冠位十二階では「徳 > 仁 > 礼 > 信 > 義 > 智」という順序に変更されています。国家統治の基盤として「他者への慈愛(仁)」と「秩序と作法(礼)」を最優先し、その中心に「誠実さ(信)」を据え、軍事・司法に関わる「厳格さ(義)」や「計略(智)」を下位に置くという、聖徳太子の目指した平和的で秩序ある中央集権国家の理念がこの順番に色濃く反映されているのです。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。