夜の神秘的な美しさからは想像もつかない事実として、夜光虫は昼間には海面を赤褐色やオレンジ色に染める「赤潮」の主原因生物となります。夜光虫の細胞内には微小な色素顆粒が含まれており、これが数十万〜数百万個体/リットルという高密度で海面に密集すると、まるでトマトジュースを流し込んだような赤潮を形成します。
赤潮と聞くと「触ると危険」「魚が毒で死ぬ」といったイメージが先行しますが、夜光虫の性質を整理すると誤解が解けます。
結論として、夜光虫自体はフグ毒や貝毒のような神経毒・麻痺毒を一切保持していません。したがって、海岸で光る波に手足を浸したからといって中毒症状を起こす危険性はありません。ただし、死滅した個体が分解される際に発生するアンモニア臭や、水中の雑菌が皮膚刺激となるケースはあるため、肌の弱い方は触れた後に真水で洗い流すことが推奨されます。