日本国内に目を向けると、日本陸上競技連盟が公認する男子室内50メートル走の日本記録は、北京五輪男子4×100mリレー銀メダリストである朝原宣治が2002年に樹立した「5.75秒」です。朝原氏は卓越した一次加速の爆発力を持ち味としており、このタイムは当時の世界室内ランクでもトップクラスに位置していました。
一方、私たちが学生時代に経験した新体力テスト(文部科学省「体力・運動能力調査」)における一般的な50m走の平均タイムは以下のようになっています。
- 高校生男子(17歳):約7.10〜7.20秒
- 高校生女子(17歳):約8.80〜8.90秒
- 成人男性(20〜24歳):約7.35秒
- 成人女性(20〜24歳):約8.95秒
トップアスリートの5.5秒〜5.7秒という記録と、一般平均の7.3秒前後との間には「約1.8秒」の隔たりがあります。50メートルの距離で1.8秒の差がつくと、世界記録保持者がゴールした瞬間、一般人はまだ35メートル付近を走っていることになり、距離にして15メートル以上の大差をつけられる計算になります。