Q1:性別適合手術を受けた後に元の性別に戻りたくなった場合、身体は元に戻せますか?
A1:外科的に切除した睾丸、卵巣、子宮、乳腺などを元通りに復元することは現代の医学では不可能です。形成した外性器を元の形状に戻すことも極めて困難であり、失われた生殖能力が回復することはありません。不可逆的な介入であることを前提とした厳格な自己決定が求められます。
Q2:ホルモン治療だけでも後悔するケースはありますか?
A2:少なくありません。FtMにおける不可逆的な声の低音化、不可逆なクリトリスの肥大、薄毛の進行や、MtFにおける乳房の発達、精子形成機能の著しい低下や勃起不全など、投薬を中止しても元に戻らない身体変化が生じます。「外見の変化スピードに心が追いつかない」「将来子どもが欲しくなった」といった理由で後悔する事例が報告されています。
Q3:タイで手術を受けた場合、帰国後に日本の健康保険は使えますか?
A3:海外で自費にて受けた手術そのものに日本の保険は適用されません。また、帰国後に生じた合併症の治療に関しても、特殊な自由診療の術後処置とみなされて保険適用が認められず高額な自費診療となるケースや、そもそも国内の医療機関から受け入れを拒否される「医療難民」のリスクが存在します。
Q4:後悔を防ぐために、手術前に最低限やっておくべきことは何ですか?
A4:ガイドラインに沿った精神科専門医による十分な期間のカウンセリング、実生活経験(自認する性別での一定期間の社会生活)の完遂はもちろんのこと、「最悪の術後後遺症が残った生活」をリアルに想定することです。成功した体験談だけでなく、後遺症や不満を告白している手記や客観的データを読み込み、主治医に対して合併症発生時の具体的な対応策を納得いくまで問い質す姿勢が不可欠です。