平成2年(1990年)11月場所を最後に、富士乃真は30歳という若さで惜しまれつつ土俵を去りました。ファンからは「まだまだ幕内でやれるのではないか」と惜しむ声が多く寄せられましたが、その決断の背景には、外からは見えない肉体の限界と勤続疲労がありました。 所属する九重部屋の稽古は、当時「角界で最も過酷」と評されるほど熾烈を極めていました。連日、横綱千代の富士の高速かつ力強い立ち合いを受け止め、北勝海と激しい押し合いを繰り返す日々。膝や腰、首への負担は蓄積し、満身創痍の状態で土俵に上がり続けていました。手記や当時の相撲誌のインタビューでも、小細工なしの愚直な相撲を貫くがゆえに、自らの武器である突進力が発揮できなくなった瞬間を悟り、潔く引退を決意した様子が語られています。
元大相撲・富士乃真の現在と真相|陣幕親方の足跡と角界激動の裏側
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