この歴史的至宝に爆発的な現代的息吹を吹き込んだのが、ニトロプラスとDMM GAMESが世に送り出した『刀剣乱舞ONLINE』である。名だたる名刀を男性キャラクターとして擬人化したこのゲームにおいて、へし切長谷部は主への絶対的な忠誠と複雑な葛藤を抱えたキャラクターとして描かれ、瞬く間に絶大な支持を獲得した。
単なるサブカルチャーの流行にとどまらず、ゲームの隆盛は保守的だった刀剣美術界のあり方を根底から揺さぶった。それまで年配の愛好家が中心だった博物館の展示室に、若年層や女性ファンが押し寄せ、熱心にキャプションや刀剣用語を学ぶ光景が日常となった。文化財の鑑賞とゲームカルチャーの幸福な融合は、衰退が懸念されていた伝統文化の保存・継承に莫大な経済効果と新たな活力をもたらしている。