市場関係者の間で話題となるのが、決算発表や適時開示のたびに見せる日本電気硝子のダイナミックな株価推移です。その背景には、巨額の構造改革費用による赤字計上と、それを相殺するほどのサプライズ株主還元という「正反対の材料」が同時に交錯する独特の構造があります。
同社は長年、収益の柱であったFPD(フラットパネルディスプレイ)用ガラスの価格競争激化に苦しんできました。採算が急悪化した拠点の大規模減損や事業整理を決断した際には、一時的に業績が急降下し売りが先行。しかし直後、経営陣が打ち出した大規模な自社株買いや増配発表が買い戻しを呼び込み、株価が一転して急騰するという局面が繰り返されてきました。
つまり、過去の負の遺産を一気に膿(うみ)として出し切る局面と、身軽になった後の資本効率向上を先取りする動きが衝突していることこそが、急変動の決定的な正体といえます。