数あるビストロやバーの中で、なぜ「シャルキュトリー&バー グランクール」はこれほどまでに熱烈な支持を集めているのか。その背景を紐解くと、効率化や出来合いの仕入れ品に頼る現代の飲食シーンとは対極にある、徹底した職人主義(アルチザン・スピリット)の存在が浮かび上がります。
シャルキュトリー(食肉加工品)は本来、肉の部位ごとの水分量や脂質、筋の入り方を見極め、ミリ単位の挽き具合や塩分濃度の調整、スパイスの配合、熟成温度の徹底管理が求められる極めて繊細な職人技です。グランクールでは、定番のパテ・ド・カンパーニュから季節ごとのジビエテリーヌ、リエット、自家製ハムに至るまで、シェフが膨大な時間をかけて手作業で仕上げています。「既製品では絶対に表現できない、肉本来の芳醇な旨味とほどけるような舌触り」に、本物を知る食べ手が引き寄せられているのです。
さらに、同店の魅力を語る上で欠かせないのが、料理とワインが互いを引き立て合う計算し尽くされたワインペアリングの存在です。重厚なクラシックボルドーやブルゴーニュにとどまらず、近年熱い注目を浴びるヨーロッパ各地のナチュラルワイン(自然派ワイン)まで幅広くオンリスト。シャルキュトリー特有の上質な脂の融点やスパイスの余韻に完璧に寄り添う提案が、ゲストに「ここでしか味わえない美食体験」を刻み込んでいます。