ドラッグストアの棚で最も目立つ存在が、小林製薬の「チクナイン」だろう。テレビCMでも広く知られるこの薬の主成分は、漢方処方の「辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)」だ。清熱作用と排膿作用を併せ持ち、黄色くドロッとした鼻水が出たり、患部に熱感や強い炎症があったりする蓄膿症の初期から慢性期に適している。
一方、クラシエ製薬などが展開する「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」はアプローチが異なる。こちらは体を温めて血行を促し、冷えや風邪のひきはじめに伴う初期の鼻づまりを発散させる処方だ。鼻水がまだ透明に近く、悪寒を伴うような初期段階で高い効果を発揮する。熱を持って膿が停滞している状態に体を温める処方を使っても期待通りの効果は得にくい。自身の鼻水の状態と体感を観察することが選定の分岐点になる。