なぜPayPayは他社クレジットカードからの直接チャージを頑なに拒み続けるのか。その背景には、決済事業者としての構造的なコスト課題と、自社経済圏の防衛戦略が色濃く反映されています。
第1の要因は、莫大な加盟店手数料(インターチェンジフィー)の負担です。ユーザーが他社のVisaやMastercardを使ってPayPay残高にチャージした場合、PayPay側はカード会社に対してチャージ額の一定割合を手数料として支払わなければなりません。店舗から徴収する加盟店手数料が1.60%〜1.98%程度に設定されている現状において、他社カードからのチャージを野放しにすれば、決済が発生するたびにPayPay側の利益が削られる逆ザヤ構造に陥ります。
第2の要因は、不正利用防止と金融犯罪対策の厳格化です。資金移動業者として登録されているPayPayは、マネー・ローンダリング対策や不正チャージに対する監督官庁からの強い要請を受けています。本人確認(eKYC)が直結している自社発行カードに絞り込むことで、不正ログインによる不正引き出しのリスクを最小化する狙いがあります。
一時期大きな波紋を呼んだ「PayPay他社クレカ利用停止最新情報」についても、業界内で冷静な分析が進んでいます。当初予定されていた他社カードの完全排除方針は利用者の強い反発を受けて見直されたものの、他社カード利用時のPayPayポイント付与停止など、実質的なインセンティブ遮断が進められました。「他社カードを完全に排除せずとも、自社カード以外を使う経済的合理性をゼロにする」というプラットフォーム側の明確な誘導策がここにあります。