南極物語の犬たちはなぜ生き残れたのか?置き去りの真相と15頭の最期

南極物語の犬たちはなぜ生き残れたのか?置き去りの真相と15頭の最期

南極物語の犬たちはなぜ生き残れたのか?置き去りの真相と15頭の最期の詳細について、専門知識を取りまとめてご紹介します。

高倉健氏が主演を務めた1983年の映画『南極物語』は、観客動員数850万人、配給収入約59億円という当時の日本映画史を塗り替えるメガヒットを記録しました。しかし、エンターテインメントとしての劇的演出と、実際の記録資料に残る史実にはいくつかの顕著な乖離が存在します。

もっとも象徴的な違いが、犬たちの最期の描写です。映画ではクジラの死骸に群がったり、氷の裂け目に落ちてシャチに襲われたり、オーロラを見上げながら息を引き取るドラマチックなシーンが描かれました。しかし現実の観測記録によると、基地周辺で鎖につながれたまま息絶えていた7頭は、雪の重みと激しい風雪に耐えながら、静かに息を引き取っていったことが確認されています。

そして何より胸を打つ史実が、映画でもキーパーソンならぬ重要犬として描かれたリーダー犬「リキ」の最期です。リキは人間で言えば老境に差し掛かった7歳の巨頭で、第1次越冬中から幼かったタロとジロの父親代わりとして彼らを守り続けていました。脱出に成功したリキの遺体は、昭和基地から約1キロメートル離れたオングル島の小高い丘で見つかりました。風下に向かって丸くなり、眠るように息を引き取っていたリキの足跡の近くには、タロとジロと思われる足跡が交差しており、幼い2頭を自立できるまで導いたのちに力尽きたという見解が、当時の越冬隊員の手記で強く語られています。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。