かつての入江氏は、著書『後輩力』などを出版し、「友達5000人」を公言する人脈の達人としてバラエティ番組で引っ張りだこでした。しかし、その広大すぎた人間関係こそが、重大なリスク管理の欠如を招く引き金となりました。
社会学や組織行動論の観点から見ると、当時の入江氏が陥っていたのは、結びつきの強さよりも数を重視する「ブリッジング・ソーシャルキャピタル(橋渡し型社会関係資本)」の過度な肥大化です。相手の身元確認や反社会的勢力とのスクリーニングを行うコンプライアンス意識が麻痺し、「誰からの頼みも断らない」「顔の広さ=自己の存在価値」という過度な承認欲求が、詐欺グループとの境界線を曖昧にしてしまいました。
当時の特番インタビューにおいて、入江氏は「周囲に良い顔をしたい、人脈を広げたいという自分の浅はかさが全てを壊した」と深く悔悟の念を述べています。この痛烈な反省が、現在の厳格な契約管理と現場第一主義を貫く経営哲学の原点となっています。