ネット上の議論や一部のSNS投稿では、「このまま人口が増え続ければ食料も水も枯渇し、2100年には地球上が150億人で埋め尽くされて人類は破滅する」といった終末論的な言説がいまだに散見されます。しかし、現代の人口統計学における定説は、これとは全く異なる未来像を描き出しています。
国連経済社会局(UNDESA)が公表した国連世界人口推計2026の改訂シナリオによると、世界人口ピーク予測は「2080年代半ば」に前倒しされ、ピーク時の総人口は約103億人と試算されています。かつて予測されていた110億人〜120億人という数字は大幅に下方修正されており、ピークに達した後は緩やかな減少トレンドへ反転し、2100年には約102億人へと縮小していく見込みです。
「なぜ人口増加は止まるのか」という問いに対する答えは、女性の教育機会の拡大と都市化にあります。かつて大家族が当たり前だったラテンアメリカや東南アジア、中東諸国でも、女性の識字率向上と社会進出に伴い出生率が急降下しました。世界全体の合計特殊出生率は、1960年代の約5.0から、現在では2.2前後にまで縮小しています。人口が長期的に維持される水準(2.1)をすでに割り込もうとしており、増加の慣性(人口モメンタム)が消尽した瞬間、地球規模のカウントダウンが始まることになります。