毎年のように浮上する「サザン紅白出場説」ですが、その背景にはNHKと所属事務所(アミューズ)の間で交わされる独自の交渉フォーマットが存在します。サザンオールスターズが一般的な紅白出場歌手と決定的に異なるのは、「特別企画枠(特別枠)」でのオファーが基本路線である点です。
サザンオールスターズは長年にわたり、12月31日に横浜アリーナ等で大規模な年越しライブを開催してきました。数万人規模の動員を誇る単独公演の最中にNHKホールへ移動して通常の白組歌手として歌唱することは、物理的・タイムテーブル的にも極めて困難です。そのため、過去の出演形態は以下の2パターンに集約されます。
第一に、年越しライブ会場からの生中継による特別枠出演(2014年など)。第二に、単独年越しライブを行わない年のNHKホール直接降臨による特別企画のトリ(2018年など)です。ネット上で「落選か」「辞退か」と取り沙汰される言説の多くは、こうしたライブスケジュールの優先順位や制作側の枠組み設計に対する誤解から生じています。NHKにとってサザンは、単なる勝敗を争う白組の1組ではなく、番組全体の視聴率とブランド価値を決定づける「最高峰の特別ゲスト」として位置づけられています。