地球温暖化に伴い、従来のコーヒー栽培適地が縮小する「2050年問題」が現実味を帯びる中、生産地では量から質への極端な転換が進んでいる。特にエチオピアやコロンビアの高標高地で栽培される希少品種「ゲイシャ」や「シドラ」のマイクロロット(極小生産区画)は、圧倒的な香りの力強さで市場価格が高騰を続けている。
「一袋の価値を決めるのは、もはや豆の大きさや欠点豆の少なさではない。どれだけ尖った香りを持っているかだ」と、東京・清澄白河でロースタリーを営むトップバリスタは語る。1杯3,000円を超えるスペシャルティコーヒーが飛ぶように売れる背景には、本物の香りを求める消費者の確かな眼目が存在する。