なぜ免許センターの職員が全員ナマケモノなのかという点には、アメリカの実社会に対する鋭いブラックユーモアが隠されています。作中に登場する機関「DMV」は、実在するアメリカの行政機関「Department of Motor Vehicles(車両管理局)」が元ネタです。
アメリカで生活した経験のある人々にとって、DMVといえば「信じられないほど待たされる場所」「職員の作業ペースが驚くほど遅い場所」の代名詞として知られています。公的機関の官僚主義的な手続きの遅さを、ナマケモノの生態にそのまま重ね合わせたこの描写は、現地の映画館で大人の観客から凄まじい共感と爆笑を呼びました。
さらに、ニックがフラッシュに仕掛ける「ラクダがコブを2つ持っている理由は?」「……妊娠しているから(Humphrey)」というアメリカン・ジョークに対し、フラッシュが内容を理解して徐々に口角を上げ、「ハ……ハ……ハ……」と数秒かけて笑うシーンは、タイムプレッシャーに追われるジュディの焦りと相まって、観客の腹筋を崩壊させる絶妙なコントラストを生み出しています。