視聴者の間で語り草となっているミサトと加持のベッドシーンが描かれたのは、TVアニメシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』第弐拾話「心のかたち 人のかたち」です。初号機に取り込まれた碇シンジのサルベージ作戦が決行される緊迫した状況の合間、二人が密会する場面として挿入されました。
このシーンの特筆すべき点は、直接的な性描写を一切映さず、暗転した画面や時計の秒針、部屋のディテール、そしてキャスト陣のリアルな息遣いと会話劇のみで大人の情事を表現した点にあります。夕暮れのチャイムが鳴り響く中、加持の「男と女ってのは、こういうことの繰り返しさ」という乾いた台詞とともに始まる逢瀬は、単なる色情ではなく、互いの孤独と死生観が交錯する重厚なドラマを生み出しました。
当時の夕方放送枠という規制の限界に挑みつつ、庵野秀明監督が「言葉にできない大人の心の穴」を映像言語として昇華させた屈指のエピソードです。