セブン-イレブンのバタークッキーを語る上で欠かせない決定的な事実が、パッケージ裏面の製造者欄に記載された株式会社ブルボンの存在です。昭和・平成・令和と日本のビスケット市場を牽引し続けてきた新潟の名門メーカーが、セブン&アイ・グループとの強固なアライアンスのもとで製造を手掛けています。
ブルボンといえば、「ルマンド」や「チョコリエール」などで知られる通り、繊細な焼き上げ技術と油脂の乳化コントロールにおいて国内トップクラスのノウハウを蓄積している企業です。セブンのバタークッキーにおいては、ブルボンが培ってきた「焼成時の熱風循環技術」と「生地の多層化ノウハウ」が惜しみなく投入されています。一般的に、バターの配合率を極限まで高めると生地がダレやすく、工業的な大量生産ラインでは均一に焼き上げることが極めて困難とされますが、ブルボンの高いエンジニアリング力が見事にこの壁を突破しました。
さらに注目すべきは、発酵バターの選定基準です。通常の無塩バターに比べてコクと芳香が格段に強い発酵バターを主原料に据え、小麦粉のグルテン形成をギリギリまで抑えた仕込みを行うことで、一口噛んだ瞬間に口内でホロリと崩れる繊細なテクスチャーを生み出しています。ナショナルブランドの卓越した製造設備と、コンビニ流通の最大手による商品企画力が融合したからこそ、200円前後の価格帯でありながら「有名洋菓子店の味わい」と見紛うクオリティが実現できたと言えます。