ファンの間で長年議論されてきたのが、ヒロイン・宮水三葉が暮らす「糸守町(いともりまち)」のモデル地です。結論から言えば、糸守町は実在する単一の自治体ではなく、新海誠監督が複数の実在風景や自身の原風景をパズルのように組み合わせて創り上げた架空の町です。
諏訪湖と小海町の風景が融合した「糸守湖」
隕石衝突によって生まれた美しい円形の湖「糸守湖」のビジュアルモデルとして、最も広く知られているのが長野県の諏訪湖です。高ボッチ高原や立石公園から見下ろす諏訪湖のパノラマビューは、山々に囲まれた広大なすり鉢状の地形と街並みが劇中の糸守湖を強く想起させます。
一方で、新海誠監督の出身地である長野県南佐久郡小海町にある松原湖や新海三社神社なども、町並みや歴史的要素のモチーフとして重要な役割を果たしています。監督自身がインタビュー等で語っている通り、信州の澄んだ空気と水辺の原風景が、糸守町全体のベーススケッチとなっているのは紛れもない事実です。
宮水神社の「御神体」と絶海の孤島・青ヶ島
三葉の祖母・一葉や妹の四葉とともに訪れた、すり鉢状のカルデラ地形が印象的な宮水神社の青ヶ島 御神体。この広大な巨石が鎮座する山奥の聖域は、東京都に属する伊豆諸島の最南端に位置する火山島「青ヶ島(あおがしま)」の二重カルデラが視覚的なモチーフとされています。
ただし、青ヶ島は八丈島からヘリコプターまたは定期船でアクセスする絶海の孤島であり、気象条件による就航率の変動が非常に激しい難関地です。安易な日帰り訪問は不可能なため、巡礼を計画する際は十分な日程と装備を確保する必要があります。