ネット上の掲示板やSNSでは「取手は風が強いから先行選手を全員切れば当たる」といった極端な意見が見受けられますが、これは大きな誤解です。プロのレースアナリストが警鐘を鳴らすのは、風向と選手心理がもたらす「展開の綾」です。
確かにバック向かい風の状況では逃げ選手の脚が鈍ります。しかし、各ラインの選手たちもその事実を熟知しています。「風が強くて先行がもたない」と全員が警戒する結果、誰も早い段階から主導権を握りたがらず、レース全体のペースが超スローに落ち込むケースが多発します。この場合、先行選手がスタミナを温存したまま最終直線に入り、そのまま楽々と押し切ってしまう「スローペースの逃げ残り」が発生するのです。
また、強風時はラインの結束力が試されます。風圧を受けやすい外併走を嫌い、イン粘りやブロック合戦が激化するため、ライン崩れの高配当が出現しやすくなります。「風が吹いているから差し」と機械的に買うのではなく、風速計の数値と各ラインの駆け引きの思惑を読み解くことこそが、回収率向上の分かれ道となります。