ネット上の口コミやSNSで頻繁に交わされる「有楽町よみうりホールの2階席は見えにくいのか?」という議論。現地での視覚検証と利用者の声を分析すると、2つの明確な理由が浮かび上がってきます。
第1の要因は、2階席特有の急峻な傾斜角と高さです。2階席はビルの8階〜9階相当の高さに位置し、舞台をかなり角度のある斜め上から見下ろす構造になっています。前の人の頭で舞台が遮られる心配は少ない反面、演者の表情を立体的に捉えにくく、「舞台が遠く豆粒のように見える」という心理的距離感を生みやすい傾向があります。
第2の要因は、2階席最前列(1列目)の安全柵(手すり)の存在です。転落防止のために設置された手すりバーが、着席時の目線の高さや座高によってステージ前方の一部(演者の足元や座り芝居のライン)に重なるケースが報告されています。前傾姿勢での観劇は後方席の視界を塞ぐ重大なマナー違反となるため、背もたれに背をつけた姿勢で見ると手すりが視界を横切るように感じてしまうのが「見えにくい」と評される最大の要因です。
ただし、全体演出や群舞、ステージ全体の照明・フォーメーションを俯瞰で鑑賞したい場合には、2階席は非常にクリアな視界を提供してくれます。細かな表情や仕草を逃したくない場合は、8倍前後の双眼鏡をあらかじめ用意しておくことで、2階席であっても鑑賞の満足度を飛躍的に高めることができます。