本作の魅力は美咲と夏向の恋愛模様だけにとどまりません。物語の縦軸として視聴者を引き込んだのが、「柴崎三兄弟」が織りなす家族の絆と隠された真実でした。
三兄弟の配役は、当時の若手実力派俳優のベスト布陣でした。包容力と大人の色気で美咲の初恋の相手でもある長男・千秋(三浦翔平)、ぶっきらぼうで職人気質な次男・夏向(山崎賢人)、そして明るいお調子者に見えて繊細な三男・冬真(野村周平)。この3人が織りなすテンポの良い兄弟喧嘩や軽妙な会話劇は、作品に心地よい生活感をもたらしました。
しかし物語中盤、夏向だけが柴崎家の実子ではなく、血縁関係がないという衝撃の事実が明かされます。自分が家族の中で唯一の「他人」かもしれないという孤独、それでも自分を弟として、兄として愛してくれた千秋や冬真への恩義。山崎賢人は、胸中に渦巻く葛藤と痛みを、瞳の揺らぎやわずかな沈黙で繊細に演じ分けました。単なるキラキラした青春ラブストーリーに終わらず、「血の繋がりを超えた家族愛」という普遍的なテーマを描いたことが、作品の評価を決定づけた要因です。
舞台となった湘南・江の島ロケ地の情景も、ドラマの叙情性を大いに高めました。海沿いのレストラン「Sea Sons」の外観ロケ地となった海岸や、美咲と夏向が訪れた江の島シーキャンドル、夕暮れの由比ヶ浜など、美しい日本の夏の風景が彼らの揺れ動く感情と見事にシンクロしていました。