JFEスチール扇島地区の高炉休止は、鉄鋼業界のみならず日本のエネルギー政策における歴史的転換点となりました。かつて鉄鉱石と石炭が山積みされていた広大な原料ヤードや高炉跡地は、次世代のクリーンエネルギーを担う扇島水素エネルギー拠点の心臓部へと姿を変えつつあります。
扇島地区の大きな強みは、東京ガスやJERAが運用する国内有数の扇島LNG基地が隣接している点にあります。既存のエネルギー受入・貯蔵インフラと配管網を最大限に活用し、液化天然ガスからの水素製造、海外から海上輸送される液化水素やアンモニアの大規模受入・貯蔵・供給サプライチェーンの構築が進められています。
また、新たな扇島企業立地として、エネルギー関連企業だけでなく、データセンター事業者や自動運転トラックに対応した大規模物流デベロッパーの進出が相次いでいます。脱炭素電力を直接調達できる立地優位性を活かし、環境負荷を最小限に抑えた次世代産業インフラの集積が急速に進んでいます。