「恭しく」の正しい読み方と意味|誤読を防ぐビジネス敬語の極意

「恭しく」の正しい読み方と意味|誤読を防ぐビジネス敬語の極意

「恭しく」の正しい読み方と意味|誤読を防ぐビジネス敬語の極意の基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。

結論から明かすと、恭しくの読み方は「うやうやしく」が正解です。形容詞「恭しい(うやうやしい)」の連用形にあたります。

なぜ「きょうしく」という誤読が多発するのかといえば、漢字「恭」の音読みが「キョウ」であるためです。「恭順(きょうじゅん)」「恭敬(きょうけい)」といった熟語の印象が強いため、送り仮名「しく」が付いた際にもそのまま音読してしまうケースが後を絶ちません。公的な「常用漢字表」において、「恭」の訓読みとして認められているのは「うやうや(しい)」のみであり、「きょう(しい)」という訓は存在しません。

うやうやしく意味の根底には、相手に対する最大級の敬意があります。語源を遡ると、古代日本語で「敬意」や「礼儀」そのものを意味した名詞「礼(うや)」に行き着きます。「礼」を重ねて状態を表した「礼礼し(うやうやし)」が中世以降に変化し、相手を心から尊び慎み深く控える所作全般を指すようになりました。

漢字の「恭」自体も、会意兼形声文字として「心(したごころ)」に「両手で物を捧げ持つ姿(共)」を組み合わせた成り立ちを持ちます。「両手で丁寧に物を捧げて相手に仕える心」を表しており、古語の「うやうやし」にこの漢字が当てられたのは極めて自然な歴史的経緯といえます。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。