ブラスセクションが切り裂く鮮烈なファンファーレ。「タロウ!ウルトラマンナンバーシックス!」という叫び。この一撃で、聴き手は日常から異次元へと放り出される。音楽理論的に見ても、冒頭の推進力は尋常ではない。哀愁を帯びたマイナー調から、サビに向けて一気に突き抜けるカタルシス。理屈ではない。体が先に反応するのだ。
1970年代初頭の特撮テレビドラマ界隈は、第一次怪獣ブームの素朴な興奮から脱却し、より重厚なドラマ性とエンターテインメント性の両立を模索していた。その転換期に放たれたこの旋律は、お茶の間のブラウン管から飛び出し、当時の子どもたちの身体感覚そのものへと同化していった。今聴き返しても、少しの古臭さも感じさせない音圧と生命力がそこにある。