数々の試練を乗り越え、1989年に正式に結婚した二人。結婚後は互いの領域を尊重し、公の場で夫婦関係について饒舌に語ることは一切なかった。しかし、その絆の深さは言葉ではなく作品を通して世に示されることになる。
近年話題を呼んだ映画『土を喰らう十二ヵ月』では、長野の山荘で旬の食材を料理しながら暮らす作家を沢田が慈味深く演じ、その担当編集者であり恋人役の声を田中が担当した。スクリーン越しに滲み出る二人の空気感は、長年培われた深い信頼と敬意がなければ醸し出せない質感を帯びており、日本映画界の批評家たちからも絶賛を浴びた。