スロットの穴にピンを押し込むという動作自体は単純そのものに見える。しかし、内部のラッチ機構はメーカーごとに微妙に感触が異なる。Apple Inc.が手がけるiPhone 16シリーズをはじめとする近年のiOSデバイスは、フレーム剛性が極めて高い代わりに、イジェクト穴の奥行きがシビアに設計されている。穴に対して90度垂直に力を込めなければ、内部のレバーが均等に作動せず、トレイが斜めに噛み合ってしまう。
対するAndroid陣営、とりわけサムスン電子のハイエンド機などでは、防水性能を高めるためにスロット周辺に高密度のラバースリーブが噛まされている。軽い力ではビクともせず、ある一定のトルクをかけた瞬間に「カチッ」と数ミリだけトレイが射出される仕様だ。ここで慌てて斜めにトレイを引き抜くと、極薄のプラスチック爪が内部で破断する。トレイの頭が出たら、指の腹を使ってスロットと平行に真っ直ぐ引き出す。これが鉄則だ。