本書の持つ真の重要性は、欧州の失敗談を鑑賞することではなく、日本がまったく同じ轍を踏むリスクを回避するための警告書として読み解く点にあります。
日本は深刻な少子高齢化と労働力不足を背景に、外国人労働者の受け入れ枠拡大や在留資格の見直しを急速に進めています。経済界からの安価な労働力需要や、国際化を善とする空気に流され、「社会統合のコスト」や「治安・文化への長期的な影響」を軽視したまま舵を切れば、欧州と同じ袋小路に迷い込むことは避けられません。
経済的な損得勘定だけで国のあり方を決定してはならない――自国の歴史、言語、独自の価値観を守り育てる強い意志を持たない国家は、どれほど裕福であっても内側から崩壊していくという著者の叫びは、今まさに日本人が胸に刻むべき教訓です。