億単位の年収と絶大な名声を手にする一方で、横綱が背負うプレッシャーは他のプロスポーツの追随を許さない。大関以下と異なり、横綱には「陥落」が存在しない。負け越しや不甲斐ない成績が続けば、待っているのは現役引退の二文字だけだ。
その進退や立ち振る舞いに絶大な影響力を持つのが、有識者によって構成される横綱審議委員会である。「品格と力量」を厳格に問う審議会からは、休場が続いたり期待を裏切る土俵が続けば「激励」「注意」「引退勧告」といった厳しい決議が下される。
高額な給料は、単に相撲が強いことへの対価ではない。神事としての伝統を背負い、土俵内外で模範となり、常に勝利を義務付けられる「絶対者」としての精神的重圧を引き受けることへの代償なのだ。