楽天グループ全体の命運を握る最大の変数は、やはりモバイル事業だ。2020年の本格参入以来、莫大な基地局建設費用と他社へのローミング費用が重くのしかかり、グループ全体の利益を痛めつけ続けてきた。しかし、2026年現在の様相は数年前の窮地とは大きく異なる。プラチナバンド(700MHz帯)の運用が都市部を中心に本格化し、自社回線カバー率の向上と相まって接続品質に関するユーザーの不満は着実に解消されつつある。
単なる「安売り」からの脱却も鮮明だ。ARPU(1ユーザーあたりの平均売上)の改善に加え、法人契約の着実な獲得が底上げに貢献している。回線契約数が1,000万件の大台を狙うフェーズに入り、月次EBITDAの黒字化が単なる願望ではなく現実的な数値として決算書に現れ始めた。市場が最も恐れていた「底なしの赤字垂れ流し」に歯止めがかかったインパクトは極めて大きい。